2011年度の審査総評を、各審査員にお話ししていただきました。
「深呼吸」 例年、最終審査で賞の選定には悩まされるが、今年はこの作品が最優秀賞だと、すんなり決まった。この作品は、遠くから見ても「力のある作品だな」と感じられ、色や素材の選択、それらの構成、布の特性の生かし方など非常に上手く、完成度の高い表現力が評価された。街の中にあって、印象的でいて気持ちが良く、ぜひ、会場で実物を見てほしい作品。
「オレンジとブルー」 この作品は、色鉛筆のみで描かれているが、彫刻を勉強しているだけあり、濃淡から生み出す造形に魅力が感じられた。色鉛筆の繊細なタッチがベースになりながら、作品しては力強く、その美しさに心惹かれる。
「gift from woods」 実際に岐阜に訪れて、森とのつながりを感じ、それを作品に表現。布のやわらかさ、光を通す特性をうまく取り入れており、環境と調和し、街の中で心がほっと安らぐ作品に仕上がっている。
「風景の絵」 実際に岐阜に足を運び、街の中にある建物を作品に仕上げた。無機質な建築物を、ポップで楽しく描き、この街が楽しそう、という期待感を持たせるような作品。作者が公開審査当日に来ていた服も、作品のように黄色の服に岐阜の建物が描かれており、プレゼンテーションにも楽しさがあふれていた。
「Cheer-up Japan」 本年度、新しく設けられた「国際交流展」に出品された5点の中から選ばれた「国際交流賞」。伝えたいことを明確に表現し、明るく元気な気持ちにさせてくれる作品。参加メンバーの名前の頭文字をとって「APNF」としており、それぞれパキスタン、ラオス、タイ、イエメン出身の4名で作り上げた。全員、日本滞在歴は1年。
「控え目な夜景」 布という素材の持つ特性(しわ、たわみ、やわらかさ、影)を生かし、ステッチを入れることで奥行きのある作品に仕上げた。写真で見るより、実物のほうがずっと街に映えている。技術力、表現力に富んだ、力作。昨年に引き続いての受賞。
「throw ―脱ぎ捨てる―」 まず、縦長のフラッグを、横長(天地と左右を逆)にした構図は斬新で、それが成功している。日常の中にある、環境問題をさわやかに表現につなげており、印象的な作品。
「Hula good!」 「フラッグ」→「Hula good!」という言葉のシャレも粋だが、作品の完成度も高い。一見、さらっと作ってありそうだが、実は丁寧な仕事をしている点も評価したい。
「にじ」 布を切り抜いて、くるっと巻いたものを片面に貼り、それだけで、さも光沢があるような作品に仕上げているのは見事。繊細な表現ながら、突き抜けたような大胆さを持ち合わせている。これも、写真では分かりづらいので、ぜひ、展示されている実物を見てほしい。
「コマイル」 作品と同じ着ぐるみを作り、楽しいプレゼンテーションを展開してくれた。自分の作品スタイルが確立されており、多岐にわたるアート活動を展開、フラッグアートでも、その積み重ねが十分に生かされた。